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がんばりすぎる現代人にこそ、瞑想を

2025/07/24
がんばりすぎる現代人にこそ、瞑想を

瞑想とは何か

瞑想というと、「何も考えずに座っていること」だと思われがちです。

実は、私もかつてそう考えていました。


けれどあるとき、氣功の先輩にこう教えていただきました。

「瞑想とは“変性意識状態”であることだよ」と。


それを聞いたとき、ハッとしました。

ただ静かにしているだけではなく、“脳と意識の状態”が切り替わっているかどうかが、本質なのだと。


では、変性意識とは一体なんでしょうか?


変性意識とは「没頭している状態」

変性意識とは、簡単に言えば「ひとつのことに深く没頭している状態」です。

たとえば、スポーツ選手が“ゾーン”に入っているときや、アーティストが夢中で作品を描いているとき。

周りの音が消え、時間の感覚がなくなり、自分と対象だけが存在するような感覚。


このような状態が、まさに変性意識です。

ですので、目を閉じて座っていても、思考が忙しく働いているならば、それは瞑想とは言えません。

逆に、歩いていても、呼吸や感覚に深く集中し、内側の静けさに入っていれば、それは立派な瞑想になります。


脳波から見る瞑想状態

脳の観点から見ると、瞑想中は明確に“脳波”が変化しています。


私たちが日常的に活動しているとき、脳はベータ波という周波数を出しています。

これは思考、分析、判断、緊張などをしているときに優位になる脳波です。

つまり、頭がずっと働いている状態です。


一方で、瞑想が深まっていくと、ベータ波は徐々に減り、アルファ波やシータ波といった別の脳波が優位になります。

  • アルファ波は、リラックスや安定を感じているときに出る波

  • シータ波は、夢うつつや深い内面への没入状態で出る波

瞑想中にこのような脳波が現れるということは、意識が外界から内側へと向かい、思考が静まり、深い安らぎに入っている証拠ともいえます。


日常生活の中の瞑想

瞑想とは、座禅や修行のような「特別なこと」ではありません。

日常の中でも、変性意識の状態に入ることは可能です。


たとえば、こんな場面も立派な瞑想です。

  • 呼吸の感覚にだけ意識を向けて歩く

  • 食事を五感でじっくり味わいながら食べる

  • 手の感触に集中して皿を洗う

  • 湯船の中で、呼吸と体の重みを感じる

大切なのは、「いま、ここ」に意識を置き、自分の内側に耳を澄ますこと。

それが自然に脳波を変え、心身のバランスを取り戻す助けとなります。


本来の自分に還る時間

変性意識に入る時間は、何かを得ようとする時間ではありません。

むしろ、余分なものを手放し、本来の自分に還っていくための時間です。


肩の力を抜いて、深く呼吸をし、ただその感覚を味わう。

その一瞬一瞬が、すでに“瞑想”なのかもしれません。


「特別なこと」をする必要はありません。

少しずつ、自分に合ったやり方で、内側とつながる習慣を持ってみてください。